えー……ワタクシは、過去に某消費者金融の債権回収部門で働いていたのですが、今更ながら、勤めていた会社が倒産したので、とても嬉しい。そこで、今回は、債権回収の実態を、特に、回収されづらい債務者の実態について、まとめてみようと思う。真似して、取り立てから逃げるなんて事はしないように(笑)。
さて、仕事柄、これまでにさまざまな債務者と関わり合ってきた。理屈をこねまわす人、嘘をつく人、弁護士に頼む人、暴力を振るう人、行方をくらます人…などなど。もちろん、借金から逃れようとする素人の浅知恵など取り立てのプロのワタシにはお見通しだ。しかし、数多くの修羅場をくぐり抜けてきたワタシも、苦い経験を持っているのです……。回収し損ねたケースがどうしてもあります。そのとき、債務者はどんな手を使ったのか?説明しましょ。
最初に、回収担当者の仕事の流れを説明しておきましょう。ただし、最初に断っておくと、ワタシが話すのは消費者金融つまりサラ金についてなので、街金やヤミ金とは区別して考えてほしいと思います。
サラ金も会社によって違うのですが、各支店の窓口や無人契約機で客にお金を貸し、返済日になったら利息などを客に入金させる点は同じ。そこから先はうちの場合、返済日の数日前に客に電話をかけ入金できるかどうかを確認する。返済日を過ぎても入金がなかったら督促の手紙を客に送り、電話をかける。電話にでないときは電報も打つ。ここで問題が起きて、各支店の手に負えないと、ワタシのような回収担当者に任される。
取り立て方にはいろいろあるのですが。しかし、昔の取り立てが無茶したせいで、いまは貸金業規制法によって厳しく制限されています。それに企業イメージも気にしますからね。だから、サラ金の取り立ては普通の人が思っているほど怖くない。でも、やさしく返済計画の相談にのるか、嫌がらせをして追い込むかは、相手の出方によります。ナメてかかると痛い目に遭います、正直なところ。「バレなきゃなんでもやる」ので。
では、取り立ての方法をいくつか紹介してみましょう。知っていれば、債務者も有利に事を運べると思います。
脅迫・暴力
脅迫めいたことを言うのはダメってことになっています。タテマエとしてはそうなっているとはいえ、大声で怒鳴ったり、客の無知につけこんで不安をかきたてることはあります。あと、暴力もマズい。客に殴られることがあっても、殴り返さないのはもちろんのこと、刑事告訴することもないのですよ。ただし、逆手にとって「傷害罪で刑務所行きですよ。支払えば告訴はしません」と脅すことはあります。
また、嫌がらせもダメ。でも、相手が多重債務者の場合なら話は別。例えば、午前8時から午後9時までしか取り立てができないんですが、184で発信して名乗らずに夜中に嫌がらせの電話をしたりとか……。他のサラ金も取り立てをしているので、どこがやっているかなんてわからない。
支払い督促・強制執行
サラ金は簡易裁判所を使って強制執行をかけることはあります。弁護士を頼まない債務者にはけっこう効果があります。この場合、債務者は送られてきた支払い督促に、一定期間中に異議申し立てをしないといけないのです。でも、通知が届くだけなので、法律を知らない債務者は無視したりする。それがサラ金の狙い。猶予があったにもかかわらず、異議の申し立てという権利を行使しなかったことになり、これで給料の差し押さえ(強制執行)ができるんですねー。
改ざん
裁判になるとさ、サラ金は入金日とか支払い額などの資料を提出させられることがあります。これは改ざんした資料を出しますよ。例えば、入金額を減らして、利息制限法に近い利息しかとってないよう装う。あまりぴったりでもおかしいから、ちょっと多目にしたりしますね。なぜこんなことができるのかと言うと、たいていの客が支払いの明細書をとっておかないからなんですね。改ざんしてもいままでに一度もバレていないのです。裁判所とか弁護士には調べようもないでしょ。サラ金のATMには必ずシュレッダーがついているけど、あれは明細を捨てさせるのが目的。従って保存して照らし合わせたほうがいいのです。
日常家事債務
生活費として金を借りると、妻が借りた場合でも夫に支払い義務が生じます。これは民法の日常家事債務と言われるもの。でも、いま裁判でサラ金がこんなことを言い出しても99%認められないです……。弁護士なら誰でも知っています。
ところが、普通の人は知らない。取り立てのときに、日常家事債務を持ち出して「奥さんの借金でも旦那さんが支払わなければいけないと民法で決められている」なんて脅したりして。
ヤミ金への回収依頼
ヤミ金のほうからサラ金に電話をかけてきて、つがなりができることもあります。例えば、多重債務者のポストにサラ金の督促状が入っていれば、ヤミ金はそれを開封して担当者の名前を見る。で、連絡してきます。回収してやるから、破産者のリストをよこせと言うわけ。
サラ金はリストと引き換えにヤミ金に回収を任せる。ヤミ金はどんな手でも使えるから回収はうまいのですね。例えば、ヤミ金を使ってさんざん脅しておいて、サラ金の担当者は債務者に「お支払いいただけないなら回収専門の業者に頼むしかないですね。今朝、おたくの家に来たでしょ。うちと違って彼らは何をしてくるかわかりませんよ」なんて言う。さすがに大手5社は手控えているようだけれど、中小のサラ金はまだやっています。
まだまだありますが、おもだった取り立てはこんな感じですね。じゃあ、どうやって客はサラ金の取り立てに対処すればいいのでしょうか。本当はこれを言っちゃうと、回収しにくくなって困るのですが、もう会社倒産したからなー。個人的には、客と取り立て屋が火花を散らすような関係はやめたいのです。できれば取り立てという言葉も廃止してもらって、返済カウンセラーみたいな仕事になればいいなぁと思っています。
回収しづらい状況というのは簡単に作り出せるものじゃないです。それに、サラ金もしつこいから、債務者には相当な忍耐が必要ですな。お互いにつらい日々が待っています(遠い目
行方不明
貸した相手がいなくなれば当然、回収はできません。たいていサラ金は市役所から住民票をとって居所を探すという方法をとります。だから、住民票をおきっぱなしにして他の土地へ行かれると消息がつかめなくなります。ただし、定期的にチェックするから、どこかの自治体に転入届けを出したらすぐわかります。
サラ金は、貸し付ける際に保証人などの担保をとっているわけじゃないので。いちおう親兄弟など身内の住所を契約時に書かせていますが、身内に対しできるのは「協力願います」まで。親族に支払いの義務はないから肩代わりを強要することはできません。
ただし、住民登録せずに生活できるのは独身者ぐらいでしょうな。子供がいると普通は無理。学校の問題があるから。ところが世の中うまくできている。住民の転出について開示しない特殊な地方自治体があるんです (;´Д`) 全国に数か所あって、確か埼玉県の狭山市なんかがそれ。例えば、狭山市の住人に借り逃げされたとします。その人が引っ越してどこか他の地方自治体で転入届けを出した場合、狭山市に問い合わせたところで一切教えてもらえない。こういう自治体が増えています。死ねばいいのに(殴
居直り
お金を借りても「自己破産すればチャラ」なんて考えている人は多いです。確かにそうなんですが。いまはギャンブルで作った借金であっても自己破産でチャラにできます。借りて返さないなんて、人の道に外れると思わないのかと思うんですが。
ところが、もっとツワモノがいます。「自己破産する、弁護士に頼んだ」と嘘をつく人ですな。いくら待っても弁護士の受認通知が送られてこない。弁護士の名前を調べると実在しない。
こういうのはたいてい時効を狙っています。嘘をついたり、とぼけたり、無視したり、友人宅に逃げたり、とか……。うまく5年逃げとおせたら、サラ金は債務者に請求できなくなる。ま、債務者が1円でも払ったらそこからまた時効が5年延びますが。
ただし、仮に時効になったとしても、債務者が裁判所で債権不存在確認をして、サラ金にその書類を通知してこない限り、しつこく督促を行うし、それをやっても問題にならないです。弁護士なら知っていることだけれど、素人は意外に知らないですねー。
多重債務者
いまはパイの食い合いが激しくなっていて、どこのサラ金も貸し付けの基準がゆるい(最近、金融危機でまた貸し渋りに近い状態のようですが)。以前だったら、ある順番どおりにサラ金各社を回らないと、すべてから借りることはできなかったんですが。いまは不景気だから、大手5社で50万円借りている客でも、中小で10〜30万円ぐらいは借りられる(もうまもなく、この多重融資も禁止されますが)
ただし、そういう客っていうのは間違いなくヤミ金にも手を出していますね。本人が言わない限りヤミ金の借入額はわからないから、それで直ぐ行き詰まる。小回りがきくヤミ金が一番に回収してサラ金各社は取りっぱぐれてしまいます。本当はヤミ金なんて支払わなくても済むんですが、怖がって先に払っちゃうのです。ワタシも入金が滞ったりしたら、ヤミ金に手を出していないか、必ず問いただしますね。包み隠さず話してくれれば無理のない返済計画が立てられるので。利息をとめてあげて、他で借りた金でうちの元金だけは返済してとか(殴。
でも結局、ババの引き合いみたいなもので、多少のリスクは覚悟のうえですね。金利は決まっているから口座を増やしていかないと儲からないですので。それに、もし不良債権になってもサラ金は損金で計上して節税できます(笑)。
子供・老人
よくいるんですよ、子供を使う親が……。電話をかけても家に行っても子供しか出てこない。「お父さん、お母さんはいません。いつ帰ってくるかもわかりません」って言わせている。古典的な手法なんだけど、この手口が意外に効果的。回収する方も子供には強く出られない。しかも、親が借金していると子供はいじめられているケースが多いから、同情しちゃったりしますね……。
老人も困る。特に認知症の老人。窓口の融資担当者なんて成績のために問題が起きるのを承知で貸し付ける。「こう書けばいいんですよ、おじいちゃん」なんて言って…。で、回収担当者が取り立てに行くと「借りてません」の一点張りで話が通じない=□○_ 〜□○0
一番やりづらいのは、金融関係のお役所勤めが身内にいる人。財務省とか金融監督庁とか。ヘタな取り立てをすると、すぐ会社にクレームが入る。これホント。
不慮の事態
災害、事故、病気、出産、倒産が原因で返済できなくなる人もいます。一応「元金だけでもなんとかなりませんか?」とか交渉はします。ただし、状況が状況だし、あまり強くは言えない。ない袖は振れないので
ただ、これはやろうと思ってできることじゃないですね。昔のイタリア映画にも、妊娠すると刑務所に入れらないという法律を利用して、毎年子供を産み続けるって話があったけど、まぁ現実的な話じゃないですな。
詐欺
ちょっと話がズレますが、サラ金は詐欺に弱い。無人契約機だと、身分証明書を精度の低いスキャンにかけているので、文字が読み取りにくくなることがある。また、偽造されやすいと言われている保険証だけでチェックしているサラ金もある。担当者だって偽造を完璧に見抜けるわけじゃなくて、マニュアルどおりにこなしているだけです…。
例えば、国保の場合、過去に保険料を払っていないと、通常1年ごとの更新が3か月とか6か月に短縮される。そんな保険証しか持っていない客はすでに危いのに、普通に貸し付けるバカな担当者もいます。しかも、国保は第三者が役所に行って勝手に交付してしまうことも不可能じゃない。こうなると身元を押さえられなくなります。
実は、無人契約機の中に設置されているカメラもあまり役に立っていない。客が少し下を向いたりすると顔が暗く写ってしまうこともままあること。
他には、在籍確認をごまかされることも多い。転送電話を使って、会社にかかっているように装いながら、知り合いのところにつなげるとか……。104で調べれば電話番号が違っていることはわかるんですが、そんな手間を怠る担当者もいるんです……。
だから、こちらも「○○さんいらっしゃいますか」じゃなくて、保険屋を装って「○○生命です、確認したいことがあるんですが」って尋ねるのです。
あとは返済実績を作って融資枠を増やしたらドロンしちゃうケースもあります。2年かけて完済すると、100万とか場合によっては300万ぐらいまで融資枠が増える。完済してなくても、入金状況などによっては途中で融資枠を増やす。こんなケースはサラ金が泣き寝入りさせられますね。
まぁ、お金は借りることは悪じゃないんです。それをどう使って返済するかが、要。誰だって、家建てるときは銀行から、ローンを組むわけですが、その時にローンが悪いなんて言う人は、いないですよね?
借金とは、借りた金をどう増やして、返済するかが一番大事です。無理のないゆとりのある返済計画をマジで建てましょう。じゃないと、ホントお先真っ暗ですよ?困ったら、市役所などで開催されている無料法律相談に申し込んで、返済計画をたてれば、任意整理、自己破産、民事再生など色々方法があって、返済が楽になります。
ちょっと腹立たしいのは、その件で今、弁護士と司法書士の業界がヘブン状態もといバブル状態と言うこと。法改正で、広告を自由に出すことが出来るようになりましたから。ま、借金問題専門の弁護士、司法書士は儲かりますが、他の民事事件、刑事事件の弁護や相談になると弱すぎるので、弁護士選び、司法書士選びは慎重に行うようにしましょう。
で、誰か、愛連合に寄付してくれる人はいらっしゃいませんか?(撲殺
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